遺産相続に関連する手続き
遺産相続に必要な手続きと期限について

ホーム >遺産相続に必要な手続きと期限について

遺産相続に必要な手続きや期限について、とりあえずネットや書籍で調べてはみたものの、結局自分のケースでは具体的にどのようにすればいいのかよく分からない、と悩まれるケースが多いようです。

遺産相続の手続きや期限が分かりにくい原因として主に

  • 手続きの期限が法律上明確に存在するものとそうでないものがある
  • 手続き自体も必ず必要になる手続きと、場合によって必要となる手続きがある
の二つが考えられますので、分かりやすく表にまとめました。

以下、個別に解説致します。

法定相続人の確定作業

法定相続人の確定作業とは、被相続人の、遺産相続する権利を有する人(法定相続人)が誰なのか調べ、確定する作業のことです。具体的には被相続人の亡くなってから出生にさかのぼる戸籍(戸籍謄本、改製原戸籍謄本、除籍謄本)を、それぞれ本籍地のあった役所へ請求し、取り寄せます。(転籍があれば転籍前の、また被相続人が婚姻される前の古い戸籍も必要になります。)この取り寄せた戸籍は預貯金の名義変更、解約や不動産の名義変更(相続登記)など、遺産の名義変更手続きで必ず必要になります。法律上の期限はありませんが、被相続人が亡くなってから大体1~2ヶ月以内に行うのが望ましいです。なおこの手続きは必ず行うべき手続きです。

当事務所に不動産の名義変更(相続登記)をご依頼いただいた場合はこれらの戸籍は当事務所で取寄せ致します。 相続登記の手続きについて詳しくは以下のページをご覧ください。

POINT

法定相続人の調査、確定といっても限られた人数しかいないのだから(例えば妻と子二人だけといった場合)、そのような大変な作業をする必要があるのか?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、被相続人の法定相続人は誰なのか、客観的に、しかも公的に証明してくれる資料は、被相続人の亡くなってから出生にさかのぼる戸籍類しかありません。

相続財産の調査

被相続人名義の財産(現金、預貯金、不動産、株式、生命保険契約など)を調査します。なお被相続人の債務 (借金や未払金、未納付の税金など)も遺産に含まれますから忘れず調査します。
法律上の期限はありませんが被相続人が亡くなってから、大体1~2ヶ月以内に行うのが望ましいです。 なおこの手続きが必ず行うべき手続きです。

遺言書の有無の確認

遺言書(公正証書の遺言書・自筆の遺言書)の有無を確認します。
なお自筆の遺言書の場合、相続人は勝手に遺言書を開封してはいけません。 必ず家庭裁判所で「検認」という手続きを行う必要があります。ご注意ください。(公正証書の遺言書の場合は検認は不要です)
参考:家庭裁判所の検認手続きのページへ

法律上の期限はありませんが被相続人が亡くなってから、大体1~2ヶ月以内に行うのが望ましいです。 この手続きは必ず行うべき手続きです。

POINT

遺言書を遺されたどうか、相続人は大抵ご存知かと思いますが、念のため、被相続人の自宅(机の引き出し、仏壇、金庫)や銀行の貸金庫など、大事なものをしまっておきそうな場所は調べましょう。

家庭裁判所に対して行う相続放棄の手続き

家庭裁判所に対して行う相続放棄の手続きは、必ず亡くなってから3ヶ月以内に行う必要がある ので注意が必要です。

ただし、ここでいう「相続放棄」とは、家庭裁判所に対して申し立て、相続人という身分でなくなる手続きのことをいいます。
例えば父親が亡くなり、子である自分は権利を「放棄」して、遺産は全て母親に相続させたい、といった場合の「放棄」は法律上、「相続放棄」ではありません。この場合の手続きは相続放棄ではなく、後述する遺産分割協議書の作成手続きになります。(一般的に家庭裁判所に対して行う相続放棄の手続きは、亡くなった方にプラスの財産よりも、はるかにマイナスの財産(借金など)が多い場合に行います。)
したがって、この手続きは場合によって必要な手続きになります。

相続放棄の手続きについて詳しくは以下のページをご覧ください。

 

所得税の準確定申告

所得税の準確定申告は、必ず被相続人が亡くなってから4ヶ月以内 に行う必要があります。ただし被相続人の公的な年金の収入が400万円以下で、かつ 年金以外の所得が20万円以下の場合は準確定申告は不要なので、全ての方が必要な手続きではありません。 (ただし、準確定申告をすることで、源泉徴収されていた税金が還付される場合もあります。)

主に準確定申告が必要なケースとしては、被相続人が以下のケースに当てはまる場合です。

  • 個人事業主であった
  • アパートや駐車場からの不動産収入があった
  • 会社の役員または従業員で年収が2,000万円以上あった
  • 亡くなった年に高額の医療費を支払っていて医療費控除で所得税の還付が見込まれる(ただしこのケースでは準確定申告は任意)

したがいまして、被相続人の収入は公的年金のみだったという場合、準確定申告は不要となるケースが殆どです。

遺産分割協議書の作成

法定相続人の確定作業(戸籍の収集作業)、相続財産の調査も終わり、遺言書も無ければ、遺産分割協議書を作成します。 遺産の分け方は、法定相続人「全員」の話し合いで決めるのですが、その話し合いの結果「誰が、どの遺産を相続するか」を 法的に整えて正式に書面で表し、相続人全員で署名し、実印で捺印したものを「遺産分割協議書」といいます。 この手続き(作業)の法律上の期限はありませんが被相続人が亡くなってから、大体6ヶ月以内に行うのが望ましいです。
なお「遺言書がある場合」「被相続人の法定相続人が一人しかいない」ケースでは遺産分割協議書の作成は不要ですが、それ以外のケースでは 必ず作成します。
当事務所では遺産分割協議書の作成はもちろん、作成に至るまでの事前アドバイス(遺産分けの最善の方法、相続税はかかってしまうのか、等) もご提供致します。 くわしくは以下のページをご覧ください。

 

相続税の申告

相続税の申告は、必ず被相続人が亡くなってから3ヶ月以内 に行う必要があります。ただし被相続人の遺産総額が相続税の基礎控除額を下回っていれば、相続税の申告は不要なので、全ての方が必要な手続きではありません。
詳しくは以下のページで解説していますのでご覧ください。

 

遺産の名義変更手続き

遺産分割協議書の作成が終わりましたら、遺産(現金、預貯金、不動産等)の名義変更手続きを行います。
遺産の名義変更を放置しておくことはあまり考えにくいので、必ず行うべき手続きと言えますが、 法律上の期限はありません。ただできれば被相続人が亡くなってから、大体1年以内に行うのが望ましいです。

ところで遺産の名義変更手続きの中でも、一番大変なのは不動産だと思います。

  • 不動産は現金や預貯金と違って簡単に分けることができない
  • 遺産総額の中で不動産が大きな割合を占めることが多い
  • そもそも不動産は評価が難しい
  • 不動産の名義変更については「法務局」という役所に名義変更(相続登記)の申請をするのですが、現金、預貯金などの名義変更 とは異なり、不動産の名義変更(相続登記)をするためには、非常に多くの書類を収集する必要があり、 さらにイチから作成すべき法的な書面もある
  • 一度不動産の名義変更(相続登記)をしてしまうと後でやり直すことは非常に困難なので、相続登記前には慎重な判断が必要
以上のような理由で、不動産の名義変更(相続登記)には専門家(司法書士)の関与をお勧めしています。

当事務所においては不動産の名義変更(相続登記)だけでなく、相続全般のご質問、ご相談もあわせて承っております。 詳しくは以下「相続登記(相続により、不動産の名義を変更する手続)」をご覧ください。